風舟

お知らせ

新潟県ワーケーション体験プログラム実証事業 実施報告(寄稿)

2024.03.10

新潟県観光企画課と阿賀町、NPO法人かわみなとが連携し、一般社団法人日本ワーケーション協会(入江真太郎代表理事)をアドバイザーとして、令和4年度、5年度と行いました「新潟県ワーケーション体験プログラム実証事業」について、入江代表からレポートが届きましたので、こちらに掲載します。
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今回、記事を寄稿させていただきます、日本ワーケーション協会の代表理事の入江です。私自身2年間に渡り、新潟県庁のワーケーション体験プログラム実証事業の一環で、阿賀町、そしてNPO法人かわみなとの皆さんと関わらさせていただき、阿賀町でのワーケーションも経験しました。今回は阿賀町でのワーケーションの良さを改めてまとめてみたいと思います。

1.アクセスが良くない=ダメ、ではない

阿賀町にアクセスするには、車で磐越道を通って向かうか、JR磐越西線で津川駅などへ向かう、大きく2通りあります。一般的に、新幹線駅からも特急停車駅からも遠いとなるとアクセスは悪いと認識されてしまいます。

個人的には、この点については逆手に考えることができると思っていて「敢えて行く目的を作らない行かない」=「目的を持って来られる人が多く、通過やついでが非常に少ない」、ということです。

2022年11月に実際に私も含めて関東・関西と新潟県内からの5名で一緒に伺った際は、ローカル線を乗り継いで来ていたが、勿論ながらすぐに帰るという選択肢は生まれませんでした。つまり、滞在を長くしやすい、目的を持ってきやすいという特徴があります。

2.コワーキング「風舟」と徒歩20秒で位置する「津川温泉」

阿賀町のコワーキングスペースとして「風舟」があります。私も何回も訪れたところでありますが、非常に居心地が良く、本と木に囲まれて、コミュニティ感を感じます。コーヒーなどの販売もされており、阿賀町の町民で盛り上げていこうという雰囲気を感じる場所です。一方でワーキングデスクとチェアを備えた「集中スペース」が空間的に分かれていて、集中した作業が必要な際には短時間で一気に進めることができます。

風舟から徒歩20秒で「津川温泉」があり、部屋数は多くないものの、宿泊も可能です。コワーキングで仕事しながら、温泉に入れるという良きルートが確立されているのは非常に気楽なポイントです。

3.とにかく濃い出会いがある阿賀町

一緒に伺った、NTTコミュニケーションズ・山本清人さんはこのようにnoteの記事をまとめられています。是非、山本さんのレポートは読んでいただきたいと思います。

https://note.com/ykiyohito/n/n0b925fc2f0bd

濃かったところ。

・なにを置いてもやはり宿泊先の民泊「和彩館」と彫刻家の佐藤さん
・「ちょっと温泉で気分転換」もできるワークスペース風舟
・山登りに命をかける町役場の江川さんとまちあるきガイド

そして、私自身はそれにNPO法人かわみなとの皆さんのカラーの濃さは非常に趣深いです。XやInstagramなどでも地域の距離の近い暖かい投稿が多いので、そこから地域のカラーを感じることができるだろうと思います。

4.2023年から始まった「〇〇じゃない××」シリーズ

NPO法人かわみなとが中心となって考えた阿賀町をフィールドに社会課題を考えていくプログラム「〇〇じゃない××」、2023年は全部で3種類実施。「学校じゃない教育」「定住じゃない農業」「名所じゃない観光」、これらはそれぞれ、阿賀町の関係性を深めていくには通常で考えられることじゃない、より深いことを一緒に考えていくことができるものです。

このシリーズのいいところは、オンラインにて「入門編」「対話編」「実践編」と最初の2回はオンラインできっかけを作り、3回目に実際に現地で実践をするというものです。だいたいは最初から知識なしで現地に行くと、紹介だけで終わりがちですが、そこをある程度事前にテーマについて考える時間を設けてスタートすることもあり、精度が大きく変わってくるのです。

このように考えていけるのは大きな特徴であり、1回きりではなくて徐々に関係性を築いていけるのが特徴です。

阿賀町は高齢化率も非常に高く、人口減少が著しい地域でもあります。その中で最近は地域おこし協力隊も中心にしながら、盛り上げていこうという流れがあります。風光明媚な自然は心を打たれるし、県境であるが故の、会津と越後の文化の合流地点でもあります。

説明が難しい部分も多々あるので、まずは阿賀町の皆さんのXやInstagramをフォローして投稿を見て、そして是非実際に行ってみると良いです。行ったら分かる、楽しさが待っています。